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ポリマー加工の下準備


ポリマー加工をすればキレイになるか?

答えは、「No」 です。




ポリマーなどのコーティング剤は

保護の為にある皮膜を形成させることで

撥水性能・耐UV性能を付加させるもので

ボディー もしくは 塗装面をキレイに見せかける効果を持たせてはならない。




これが当店の考え方です。



そこで必要となるのが、下地処理です。

素肌美人は、本当の美しさを見せてくれます。




下手なコーティング剤のように劣化も起こさない。 (正確には劣化が遅いです)




入庫していただいたクルマは

まず、水洗いを行います。




次に、新車コーティングとメンテナンス以外では

ケミカル粘土を使用して、鉄粉や付着した異物を取り除きます。


※ケミカル粘土を使用することでキズが入ることを避ける為、新車コーティングとメンテナンスでは粘土は使用しません。


P1120492-287.jpg




下の写真で見る限り一見キレイそうに見える塗装。


P1120493-287.jpg




しかし、近寄ってみると・・・



P1120495-287.jpg




研き(塗装の荒れた表面部分を削り取る)と磨き(光沢を引き上げる作業)によって

得られる本来の艶と光沢がコレ。



P1120546-287.jpg





では、どのようにして本来の姿に近づけてゆくのか?




それは、そのクルマの塗装状態に合わせて行うべき作業となる。




例えば 

このルーフのように新車時の塗装のままの20年近くを経過している塗装では

その保管環境や扱い方により

激しいダメージが生じている場合があります。


P1120498-287.jpg



このように荒れた塗装では

コンパウンドとバフの組み合わせだけで研くと時間が掛かり過ぎる。




そこでバフレックス(耐水ペーパーの目の細かいもの)を使用して水研ぎします。




出来得る限り均一に

そして、決して削りすぎが無いように。



P1120520-287.jpg




乾燥すると削られた粉が・・・



P1120521-287.jpg




ポリッシャーで研けば

バフレックスで傷つけられた表面が均され

艶を放ち始めます。



P1120522-287.jpg




この時に使うコンパウンドは中目

バフは、ウールバフ。



全ては塗装とその荒れ方に合わせて選定します。


※同じ中目のコンパウンドでも粒子の堅いものや柔らかいものがあります。




P1120526-287.jpg




1回目の水研ぎ後の塗装表面

まだ、切り込みが不足しています。




P1120528-287.jpg




もう一度、バフレックスを当て

ポリッシャーで研くと

求められるべき艶が出てきます。



P1120531-287.jpg



ここで行っている作業は

刃こぼれを起こした包丁を粗目の砥石で研いている作業と同じです。

この時点では、切れ味 = 本当の光沢 はまだありません。



中目のコンパウンドがつけた傷が光沢を表現できないでいます。


P1120532-287.jpg




最も荒れたルーフのファーストカットが終わった段階で出たコンパウンドかす

クルマが真っ白になってしまうほどです。



P1120538-287.jpg



次の段階では

ウレタンバフと細目コンパウンドの組み合わせです。

これで前工程のコンパウンドのキズを消してゆきます。



光沢を引き上げてゆく作業です。



P1120556-287.jpg




シングルポリッシャーからギアアクションぽりっサーに持ち替えて

更に柔らかいウレタンバスと極超微粒子のコンパウンドで磨きます。



P1120567-287.jpg



最後はダブルアクションポリッシャーで

最も柔らかいバフと粒子の柔らかい極超微粒子のコンパウンドで

求めている光沢まで引き上げてゆく。



P1120573-287.jpg



最終的に得られた 艶と光沢です。


※白い細かなコンパウンドの跡は、チッピング(飛び石跡)に入り込んだコンパウンドです。



P1120597-287.jpg



このクルの場合

ボンネット・ルーフのダメージは酷いものでしたが

サイドはさほどでもなかった。



 ≪ 水洗い直後 ≫

P1120536-287.jpg


 ≪ 研磨後 ≫

※同じ条件で撮影しているのですが、光沢が上がることで、バカチョンカメラの露出が変化してしまう。



P1120608-287.jpg



下地処理の最後は水洗い。



P1120585-287.jpg



このクルの場合、3日間磨き込むで得られた光沢と艶がコレ


P1120606-287.jpg

P1120601-287.jpg



求めるべきは、

そのクルマの塗装の持つポテンシャルを引き出してやること。




そのために必要な時間が掛かります。




このように段階を踏んで磨きこむ中で

柚子肌の強い水性塗料が普及したため平滑鏡面には時間が掛かりすぎる塗装が増え

厚いコーティング層を残す樹脂計コーティング剤が多用され

通常のコンパウンドでは歯が立たないガラス系コーティング剤も増えている。




古い車になればなるほど

塗り替えされている確立は高くなり

隣り合わせたパネルでも、色の違いや、全く硬さの異なるパネルも存在する。



そして、このクルマのルーフのように

荒れている時には気付かないチッピング跡が

磨くと目立つようになることもある。



塗装の技術理論やコーティング剤の云々よりも

必要なものは研磨技術。

どれだけ多くの塗装面を磨いてきたかが物を言う世界です。



お客様から託されたクルマの塗装のポテンシャルを引き上げる技術が私の仕事です。



≪参考≫

当店の価格表における標準的作業では

平滑鏡面仕上げでは、ウールバフからの段階からスタートします。

光沢仕上げでは、ウレタンバフの段階からスタートします。







解像度の良いモニターでご覧頂いてている方はお気付きでしょうが・・・



ルーフ バロロレッド

フロント3面 バロロとバジェットの中間色

その他のパネル バジェットレッド



塗り替えされた理由は、それを指示した前オーナーさんか中古車屋さんにしか判らない。

そして、色の合わせ方も・・・・・



赤系の大型セダンは滅多に無いだけに大切にして頂きたい1台であることは間違いないはずです。














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本物のみがき と ポリマー加工 車内清掃
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プロフィール

田村 隆司

Author:田村 隆司
東京の江戸川区にある
車みがきのプロショップ 
Grade-UPの店主の
作業とドライブと諸々の
日記で御座います。

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