徹底的に極上仕上の車両を創る 【作業編 その1】
徹底的に極上仕上の車両を創る と言う企画でエントリーいただきました皆様有難うございました。
ようやく作業を終了しオーナー様である104-3さんに納車させていただきましたので御報告申し上げます。
メルセデスベンツ 300SE (1989年式)
走行 210000km
親子二代に渡って乗り継がれているお車です。
御家族の思いでも一杯詰まっているお車
ワックスと水垢も一杯詰まっていました。 (オーナーさんゴメンナサイ!)
では、作業前の状態は

そして、作業後は

良く判らない?
当然です。。。
私の写真の腕が無いばかり・・・
改めまして サイドからの写真を

間違い探し のように目を凝らして
作業後の下の写真とよ~く見比べてみてみてください!!

タイヤワックスが効いている と答えた貴方 正解です!!
これぐらい引いた上体で写真を撮ると
写真の解像度の問題もあるが 写真で表現できるのはこの程度なのです。
某フィルムメーカーの有名なCMでもありましたとおり
「 美しい人は更に美しく
そうでない方は、それなりに・・・ 」
なのです。。。
本当の真実を体感されたのはオーナーさんと私だけ。
ではどのような行程を経て 【 徹底的に極上仕上 】 の車両としてゆくのかを
まずは当然ですが
水洗い、カーシャンプー
そして、粘土掛けです。

丁度20年が経過している車ですが
ボディーへの鉄粉の付着はほとんどありませんでした。
しかし、20年間 21万kmを走った車だけあって
サッコパネル(サイドのプラスティックパネル)下のタールの付着は半端ではなかった。

研く ための下準備を終えた状態です。
研磨作業に邪魔なものは出来る限り取り外す。
そのほうが仕上がりが良いのは当然の事となります。
特に今回の車両のように固形ワックスが主流であった時代に使われていた車の場合
フチに入り込んでいるWAXを完全に取り除くには部品の脱着を必要とします。
フチに入り込んでいるのはワックスだけではなく
水垢の付着も実に凄まじい状態となっていました。

これが基本的なマスキングを終えた状態です。

このサンルーフのマスキングを見ていただきますと判るとおり
マスキングテープが塗装面に乗っています。
このままの状態で研磨作業をすると
テープの下は「研け」ないことは陶然の事となります。
<接写していますので塗装面の荒れ方にご注目>

そこで、本当に厳密な仕事をするときには
テープを張り替えながら、作業に当ります。
これはサンルーフ側をマスキングしている状態です。
時間ばかり掛かり、進まない作業となります。
当然、費用もかさみますが仕上がりは断然差が出ます。

このブログではほとんどご紹介したことが無いものですが
最も信頼のおける 私の相棒 ポリッシャーです。 (シングルポリッシャー)
今回のように荒れた塗装の場合
切り込む(削る)必要性があるので
最も切れるウールバフを使用します。
この日立製のシングルポリッシャーの場合
1800rpmの定回転ですが
モーターのトルク特性を利用できるようになれば
数種類のバフ と 数種類のコンパウンドさえあれば
最終工程寸前までこの1台で仕上られます。

長年使い込んだポリッシャーのグリップです。
見事な鏡面に!?

ルーフの面を 研いた後
Cピラー側のルーフ面を研いた状態です。

ルーフサイドにエッジがある場合
ルーフを研いている際に、エッジにダメージを与える事があります。(下地を出す)
そのためにマスキングをしていますが
このまま次ぎの 磨き行程へと進めば
このテープの下の面は研かれないままに終わることになります。
そこでマスキングテープを剥がして
エッジそのものを研きます。
ポリッシャーの回転方向(エッジを巻き込まない方向)を利用して研き作業を行います。

ボンネットフードです。
右側が研いた面です。
蛍光灯の映り込み方が明らかに違う事を確認していただけると思います。

コンパウンドかすで粉だらけになります。

全面を研き上げて、
キズのあるなし そして、均一性のチェックです。
研いているときはバフから伝わる反動と
バフが通った後の塗装面を部分的にしか感じられない為
作業後のチェックは重要となります。
万一、見落とした場合
もう一度同じ行程に戻らなければならなくなります。
言葉で言えばそれまでですが
粗いコンパウンドを使用した場合
一度水洗いを行なうので
前の行程に戻るとなると
マスキングを剥がし、水洗い、乾燥、マスキング
手間と時間が掛かる事になりますので
均一性のチェックは、見逃せない作業となります。

この研き (磨きではなく) の行程を経た塗装面だけが
艶を得られます。
凹凸の強い塗装面 (ユズ肌の強い塗装) では在り得ない艶です。
まっ平に近づく事で鏡面になり
映り込みが映える(ハエル)現象こそが 【艶】 です。
艶と光沢 混同して使われがちですが
似て非なるものです。

リアウィンドの映り込みと
Cピラーの映り込み
見比べてみてください。

自分の仕事に自身が持てる一瞬です。
光沢を上げる作業は、艶を上げる作業ほど神経と時間を使うものではありません。
艶を引き上げた上で
光沢を引き上げる
これが本当の私達「みがき屋」の仕事だと考えています。
近日中に取り外したパーツとフチをご覧頂く事にします。
どれほどの状態だったか・・・
お楽しみしていただけると嬉しいのですが




本物のみがき と ポリマー加工 車内清掃

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